コスパ大好き|アメリカに移住したエンジニア

2023年からロサンゼルス在住。個人的な体験を記録し、これからアメリカに住む人に情報を捧げます。

海外送金で儲かる?RevolutとWISE・コスパの良い送金方法比較

普通に海外送金すると手数料が取られます。 しかしRevolutをうまく使うと、むしろお金が若干増えます。

2023/4月からSONY BANK WALLETの規約が変わり、お金は増えなくなりました。 一方、現時点でもRevolutは送金コストが最も安い方法でもあるので、検討中の方はご参考ください。

こんなことがあって良いのか?認知度の高いWISEの方がいいんじゃないか?と疑問に思い、海外送金の観点でRevolutとWISEを実際に使って比較してみました。

本記事ではアメリカのユニオンバンクに送金することを前提としていますが、サービス提供通貨であれば基本的な仕組みは同じですので、アメリカ以外でもご参考いただければと思います。

※以下のリンクから登録すると、Revolutで6,000円、WISEで7,500円がそれぞれもらえます。

1つのアプリで、お金のすべてを管理 | Revolut JP

Wise(旧TransferWise):オンライン海外送金 | 海外の銀行機能

※実際の送金注意点や送金結果などは下記にまとめてあります。

analytics-guy.hatenablog.com

analytics-guy.hatenablog.com

普通の銀行を使うと1回あたり約7,000円の送金コスト

ヤマト運輸の海外赴任者セミナーで知ったのですが、一般的な銀行を使った国際送金では以下4つの手数料が取られます。

  1. 為替手数料
  2. 送金手数料(仕向送金手数料)
  3. 仲介銀行手数料
  4. 着金手数料(被仕向送金手数料)

1~2は送金元となる国内銀行で、3は中継する銀行で、4は受け取る銀行で、それぞれかかる手数料です。 金融機関によりますが、以下参考金額です。

※日本円への換算は2022/12/21のレート132JPY/USD、140JPY/EURベース

何も考えずに銀行などで10万円分送金しようとすると、 1回あたり5,000~10,000円程度 かかります。 1年送金し続けたら1ヶ月分程度かかる計算ですから、このコストはなかなか見過ごせません。

※実際に比較して見たい人は、WISEの比較ページがわかりやすいので、シミュレーターを使ってみると良いでしょう。

工夫次第で手数料は抑えられる

送金コストを抑える方法はいくつかあるようですが、以下代表例。

  1. 日本で米ドル(現金)を作り、渡航時に持っていく
  2. 利用する銀行のサービスで部分的にコストを抑える
  3. WISEやRevolutのようなサービスを使う

現金を持っていくのは安全上のリスクが多少ありますが、頻繁に日米を行き来する人には可能でしょう。現金を直接持っていくわけですから、「1. 為替手数料」のみどうにかすれば、銀行関連のコストを避けることができます。

しかし現実的にそのような人は少ないでしょうから、2と3について少し補足します。

銀行のサービスでコストを下げる(プラスにはならない)

プレスティア銀行:預金1,000万円以上で送金手数料が無料に

部分的かつ条件がありますが、SMBC信託銀行プレスティア(シティバンクSMBCが買収して統合した銀行)では「2. 送金手数料(仕向送金手数料)」が無料になるプレスティアゴールドというサービスがあります。 本記事では詳しく扱いませんが、参考まで。

https://www.smbctb.co.jp/executive/gold/services/fees.htmlwww.smbctb.co.jp

【受付終了】三菱UFJ銀行:海外赴任者用口座で1回あたり2,500円に

三菱UFJ銀行は、傘下だった米ユニオンバンクの口座開設を取り次ぐと同時に、三菱UFJからユニオンバンクへの送金手数料を抑えるサービスとして、パシフィック・リム カンパニーベネフィットプログラムを展開していました。

しかし三菱UFJ銀行ユニオンバンクを売却したため、口座開設の取次サービスの終了と同時に、これを使った新規口座開設も受付を終了しました。

今後どのようになるかは不明確ながら、現時点で申し込みが完了している人は、しばらくはこのサービスを使い続けることができる模様です。

https://www.bk.mufg.jp/tsukau/kaigai/kouza/prcb/index.htmlwww.bk.mufg.jp

ちなみに2023/8月現在、ユニオンバンクはUS Bankに吸収合併されているため、この方法で口座を作成した人はUS Bankを利用しています。

WISEやRevoluteでコストを抑える

WISE(旧Transfer WISE)やRevoluteは、仕組みでコストを抑えるサービスです。

つまり、複数の銀行を中継してやり取りするからコストが発生するので、特定企業がそこをまとめて行えば良い、という考え方です。

正しい説明かはわかりませんが、送金の流れは以下のようになります。

  • WISEやRevolutは多国籍企業なので、色々な国にそれぞれの通貨を扱う銀行口座を持っている
  • ユーザーが日本からWISEやRevoluteにお金を預けて、サービス内で両替を行うことができる
  • ユーザーが通貨をアメリカの銀行口座に出金したいときは、WISEやRevoluteが持つアメリカの銀行口座からユーザーのアメリカの銀行口座に送金する(アメリカ国内の振込になる)
  • よって、送金コストが国際送金よりも安くなる

※以下イメージです。

通常の国際送金のお金の流れ
通常の国際送金のお金の流れ

WISEで送金する場合のお金の流れ
WISEで送金する場合のお金の流れ

実際のところ、銀行を使った送金などと比較してどの程度安くなるのかは全て計算して求める必要がありましたが、最もわかりやすかったのはWISEの比較ページだと思いますので、こちらを参考にしてみてください。

wise.com

WISEとRevolutでどっちがいいのか?

色々調べたのですが、この2つを送金観点で比較している情報には出会うことができず、最終的にどちらも使って自分で調べることにしました。

ちなみに今回の比較前提は以下です。

  1. 国際送金手段として2つのサービスを比較する
  2. なるべく手数料がかからない方法を考える
  3. 1回あたりの送金金額は50〜100万円程度

比較前提を設けているのは、WISEもRevolutもさまざまな使い方ができるサービスのため、送金の切り口で良し悪しを比較したいからです。 例えばWISEやRevolutのデビットカードを使ってポイント稼ぎをする記事などはたくさん見つかりましたが、送金に絞るとどちらか片方のみの解説が多いようでした。

個人的結論:どっちも使うのが良さそう

先に書きますと、私は両方使ってリスクヘッジをすることにしました。 具体的には、Revoluteの方が金銭面で見るとお得ですが、サービスの安定性や透明性ではWISEに軍配が上がります。また短期間で多額の送金をしたい場合、サービスごとの無料送金金額の上限を考えると、2つのサービスで送金できた方がより早く送金できるためです。

ちなみにこれまで6ヶ月に渡って10回以上送金を繰り返してきましたが、今の所お金がどこかに行ってしまった、ということは一度もありませんでした。「リスク」と聞くと怖さもあるかもしれませんが、ここでいうリスクというのは1%あるかないか程度の問題と考えて良いと思います。

デビットカード入金でキャッシュバック(2023/4月に終了)

どちらのサービスで送金するにしても、サービスへの入金が必要になります。 今回は送金という視点で考えていますので、この場合クレジットカードでの入金は使えません。 使えるのは以下2つのいずれかです。

デビットカードの場合、Revolutでの入金に対してポイントがつく銀行があり、2023/2月時点ではソニー銀行楽天銀行が還元率の高いデビットカードサービスを提供していたようです。 私の場合、楽天のサービスを(楽天モバイル以外)あまり利用しないため、直接キャッシュバックが入るソニー銀行デビットカードSONY BANK WALLET)を使っていました。

詳しくは別記事で書きましたが、キャッシュバック率が0.5~2.0%とお得だったため、これを利用できると入金時に思わぬ収入が得られました。

analytics-guy.hatenablog.com

Revolutの場合、デビットカード入金には手数料もかからず、キャッシュバックがそのまま受け取れるためおすすめでした。 ただしSONY BANK WALLETによるRevolutへの入金は、30日間に対して1回しかできず、1回の入金上限金額も45-50万円でした(2023/1月、2023/2月実験済み)。

WISEの場合、デビットカード入金には手数料がかかります。例えば10万円に対して3,300円の手数料がかかるため、還元率が3.3%を超えるデビットカードでなければマイナスになってしまいます。 よって通常の銀行振り込みで対応するのがおすすめです。 SONY銀行の場合、ステータスがなくても月2回までは無料で振り込みができるので、これを利用するのも手でしょう。

為替手数料は細かな違いあり

次に為替ですが、ここでは2つの要因があります。

  1. 為替レート(1 USD → 130.01 JPYなど)の高低
  2. 両替手数料(1 USDあたり0.1%など)の有無

基本的な為替レートはWISEの方が有利ですが、WISEは両替手数料がかかるため、必ずしもお得とは限りません。 Revolutの場合、土日に両替すると手数料がかかりますが、平日昼間は両替手数料がかかりません。またレートはWISEに劣りますが、手数料がない分、平日に両替することでトータルコストは安くなります。

よって、平日に両替できる人は、Revolutの方が為替手数料を抑えられる効果が見込めます。

他方、為替レートは日々変わりますから、必ずしも平日に両替することがベストとも限りません。2022年はさまざまなニュースがあり、1日で4円動くことも何度かありました。1 USD → 130 JPYに対して4円動くと、1日で3%も違いますから、100万円の両替なら±3万円も影響することになり、結構恐ろしいです。

その意味で、WISEは両替手数料が追加でかかるものの、土日でも比較的優位なレートで両替できる点で安心感があると言えるかもしれません。なぜなら土日は為替相場が急変することがほとんどなく、ゆっくり両替できるからです。特に、為替変動が見込まれるニュースがある時は土日に動かす方がいい場合もあります。

*1

また、無料アカウントで両替するには、それぞれ一定の上限があります。

Revolutの場合、月当たり75万円(毎月15日リセット)までは手数料がかかりませんが、これを超えた場合手数料がかかります。 WISEの場合、基本的に両替には手数料がかかりますので、1日に両替ができる回数のみ制限がかかっています(24時間あたり15回まで)。

ちなみに細かいですが、Revolutでは為替レートは小数点第二位まで(例:130.25)ですが、Wiseでは小数点第三位まで(例:130.249)まで表示されるので、0.001%単位の違い(銀行の年利くらいの差)が気になる人には、WISEの方が馴染むかもしれません。

WISEの為替に関する注意点は下記記事に書きましたので、WISEを検討している人はご一読ください。

analytics-guy.hatenablog.com

送金〜着金までの手数料ではRevolut、安心感はWISE

アメリカへの送金では、どちらのサービスでもACH送金という手段を使います。先の図にあるとおり、実際には国際送金を行なわず、送金元・送金先の国の中の国内送金ということになるため、手数料が抑えられる仕組みです。

WISEの場合、この送金でもいくらか手数料が発生します。 一方Revolutでは送金に対して手数料はかからないため、その分お得と言えるでしょう。

また、着金に対してはACH送金(国内での送金)になるため、どちらのサービスを使っても手数料はかかりません。

ここで1点だけ注意しておきたいのは、2つのサービスで完了通知が送信されるタイミングが異なることです。

Revolutの場合、送金が完了したら通知が来ます。

つまり着金はしているかわからないけど、送金は完了しましたよ、というお知らせが来ます。

よって、Revoluteにも送金先の口座にもお金が存在しない時間が発生します。

送金が完了したというので銀行に行ってみると口座にお金は入っておらず、Revolutにもお金はなく、自分のお金がどこに行ってしまったのか、不安になる可能性があります。

これはRevoluteがロンドンの午後3時くらいの時刻を基準に処理を行うことで発生するため、LAの朝7:00くらい(日本時間の日付変更前)に送金すると2時間後には着金が確認でき、不安を少なくできるでしょう。

一方、WISEでは送金〜着金までの工程をトラッキングし、着金が確認できた上で完了通知をくれます。

この点、初めての時でも安心感があるのはWISEなので、一つのWISEを使いたい(保険的な意味での)理由になると思います。

ただ繰り返しですが、Revolutでも経験上、これまでお金がなくなったことはありませんし、処理にかかる時間がわかっていれば不安も払拭できますから、Revolutでお得に送金したい方は試してみる価値ありです。

Revoluteの利用には若干のリスクが伴うという話

金銭的メリットだけ考えると(キャッシュバックは無くなりましたが)Revolutがよい、という話になるのですが、ここで2つ、利用上知っておく必要があるリスクを共有します。

  • Revolutは法律上の「銀行」ではないので、送金時にお金がなくなった場合、返金されないリスクがある
  • RevolutはWISEよりも新しい会社のためか、直近で行政処分などを受けている

私は金融システムについては素人なので、このリスクがどの程度なのか定量的に評価ができませんが、これから使う自分のお金に対して大きなリスクは取れません(苦笑)。 なので、私の結論は2つのサービスに分散させ、リスクを半分にしました。

まとめ:手数料だけ考えるならRevolut+SONY銀行、安心を得るならWISE

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。 個人的に収集した情報ではこれがベストと思いましたが、他にもコスパのいい方法があるかもしれませんので、気になる方は他の方法も探して見てください。 ただ現時点でこれ以上リサーチに時間を使いたくない、という方は、この記事の方法を検討してもいいかもしれません。

RevolutやWISEを検討している方は、下記リンクからどうぞ。

1つのアプリで、お金のすべてを管理 | Revolut JP

Wise(旧TransferWise):オンライン海外送金 | 海外の銀行機能

*1:ちなみに私の場合、渡米前に比較的時間を作ってあったので、毎日為替とニュースをチェックし、Revolutで底値で両替できるように計画を立てました。実際に2023/8月現在のレートである約145円と比較すると、平均して135円程度で両替・送金していたので、少なくとも10万円程度はお得に送金し、さらにキャッシュバックで2万円程度得られた、と言えるかもしれません。