コスパ大好き|アメリカに移住したエンジニア

2023年からロサンゼルス在住。個人的な体験を記録し、これからアメリカに住む人に情報を捧げます。

海外赴任とANAステータス(SFC)獲得は組み合わせがいい説

アメリカ赴任の挨拶をしている中で、マイラーの師匠に直接伝授された内容をご紹介します。

簡単に言えば、ほぼ無料でANAのスーパーフライヤーズカード(以下、SFC)会員資格を手に入れる方法です。

この記事では、なぜ海外赴任がSFC取得に向いているのか、解説します。

SFC会員の詳細は、すでに多くのマイラーブログで紹介されていますのでそちらに譲りますが、ここでは海外赴任目線でメリットと感じたことを書きます。

SFCはクレジットカード紐付きの資格

簡単にSFCについて触れておきます。

SFCとは、ANAの上級会員資格の一つ(?)で、ANAが発行するクレジットカードに付与される会員資格です。

これを取得すると、ANAスターアライアンスで提携している航空会社の上級会員資格を得られたことと同義となります。つまり、スターアライアンス提携航空会社便に乗るたびに、上級会員資格者と同じメリットを享受できます。

さらにSFC資格が付与されたクレジットカードで家族カードを発行すると、その家族カードでも同じ上級会員資格を得ることができます。

つまり、一粒で二度三度おいしい上、この資格がクレジットカードを持っている限り永久に続くので、諸人挙りてSFC会員になるための努力をします。

具体的には特定の年にANAの便にたくさん乗って、SFC資格が得られる5万プレミアムポイントを目指します。

得られるメリットはたくさんありますが、軽く挙げると以下のようになります。

- 空港待ち時間にいいラウンジ(無料の食事やシャワー付きなど)が使える
- 無料で席をアップグレードできることがある
- 空港でのチェックイン時間が短い
- 搭乗時に早く席に着ける
- 預かり荷物が早く出てくる
- 預かり荷物の上限が増える
- マイルが溜まりやすくなる
- 会員専用の電話受付窓口が使える

同様のサービスがJALにもあり、こちらはJGCJALグローバルクラブ)会員資格というそうです。

アメリカでなぜSFCが欲しくなったか

日系航空会社の会員資格はほぼ永久資格

なぜSFC会員を目指すかというと、永久資格であることに加えて、海外ではそうではないことがわかったためです。

これはマイラーの師匠に教わったことですが、曰く、海外のクレジットカードは特典がたくさんある代わりに、航空系の特典比率が低めになっている。日本のクレジットカードは海外に比べて特典が控えめだが、航空系の特典比率が高めになっている。とのこと。

なので航空機移動がアメリカで年数回(帰国時も含め)あることを考えると、日本人に許された大きな特典と言えるでしょう。

日米往復時のお得感を増やしたい

会社の都合上、私自身年2回の帰国と、家族に年1回の帰国が許可されているのですが、この時の移動のメリットを最大化したいと思いました。

2024年現在も、日米では物価の差が大きいですし、特に日本のものを買おうとすると2倍以上のコストがかかります。

例えば日持ちする食べ物(乾麺や調味料)などは、日本で3万円分くらい買って持ってくると、アメリカで買うのに比べてそのまま3万円お得になるので、なるべくたくさん持ってきたいところです。

そしてSFC会員になると、預かり荷物が1つ無料で増えるのです。23kgの荷物を1つ増やすと、経験上3万円分は余裕で荷物を増やせます。

ANASFCワイドゴールドカードは年会費3万円もかからないので、1回の往復で元が取れる計算です。

これはスターアライアンスの航空会社に共通する特典で、ANAユナイテッド航空を利用する必要はありますが、会社へのお土産スペースにも困らなくなりますし、この点だけとってもいいと思いました。

また、出張時に同僚(特に上級会員資格を持っている人)と移動する時のメリットも増えます。

上級会員資格を持っている人(主に出張が多い偉い人たち)は、空港待ち時間が短かったり、ラウンジに入れたりするので、一緒に移動するSFCを持っていない人が移動のボトルネックになることがあります。

以前の私も何度か飛行機移動時に上司や役員を待たせており、肩身の狭い思いをしていました。(上司からもSFCとった方がいいよ、と勧められました苦笑)

このような事情から、取得を目指したいと考えました。

会員資格の取得方法ハードルはそこまで高くない?

周りのSFC取得者たちに聞くと、SFC取得は工夫すれば思うほど高い壁ではない、という声が聞かれます。

具体的には、以下の手順でほぼ無料で実現することができるからです。

1. マイルをたくさん貯める(できれば30万マイル程度)
2. 貯めたマイルをスカイコインに変換する(1.6倍で変換すれば48万円分になる)
3. スカイコインでANA航空券を購入する
4. プレミアムポイントあたり10円程度で計画を立て、飛行機に乗る
5. 1年以内に5万プレミアムポイント以上取得する
6. クレジットカードにSFCの称号を付与してもらう

世の中的にはマイルを貯める方法はたくさんありますので、工夫すれば可能です。例えばAmexのANAゴールドカードを発行すると入会特典で最大11万マイル貯まる、といった制度を利用すれば、比較的これに近づくことが可能です。

とは言え、「無駄に羽田-沖縄を往復するやつでしょう?」「40-50万円かけてとる価値ある?」という点で私は前向きになれませんでした。

そんな私が改めて取り組もうと思った理由は以下3点でした。

1. 移住によりクレジットカードでの大きな決済需要があった
2. 海外勤務という状況的にマイルが貯めやすいことがわかった
3. 海外発券という技でANA航空券が安くなることを知った

これらが海外赴任前の時期だからこそ取り組もうと思った理由です。

会員資格取得条件を楽にしてくれるLSサービス利用

まず、SFC会員資格取得条件として、1年以内に5万プレミアムポイント獲得することがあります。

プレミアムポイントはマイルとは別に得られるポイントで、スターアライアンスの航空機に乗った場合に、そのチケットのクラスに応じて付与されるポイントです。

プレミアムポイントの獲得条件は若干理解しづらいのですが、これは移動する空港間とその時の予約クラスによって変わるためです。これを知るには、プレミアムポイントシミュレーションのページを利用するのが最も手っ取り早いです。

世の中的には多くのサイトでこの解説をしていますので、ここでは代表的な羽田・沖縄路線の片道分を紹介します。

ANAカードゴールドで予約し、かつ選択するチケットをプレミアムクラス・株主優待割引で取った場合、片道で得られるプレミアムポイントは2,860ポイントとなっていました。

つまり、5万プレミアムポイントを得るためには、単純計算で沖縄・羽田間を17.5回乗る≒9往復する必要がある、ということです。。

※細かいルールはもう少しありますが、SFC会員取得目線で割愛しています。

ANAのLSサービスでプレミアムポイントを大幅削減

ここで登場するのがANAライフソリューション(LS)サービス利用が多い方のステイタス獲得条件です。

簡単に説明すると、以下の3つの条件を満たした場合に、特別にSFC会員取得が獲得できる制度です。

1. プレミアムポイントを、ANA便で3万ポイント以上取得すること
2. ANAのLSサービスを7つ以上利用すること
3. ANAの決済サービスで年間400万円以上利用すること

つまり、他の2と3の条件をクリアすれば、取得するプレミアムポイントを一気に2万ポイント分節約できてしまいます。

その条件の一つが、ANAのLSサービスな訳ですね。

ではそのLSサービスとは具体的にどんなものがあるか。結構簡単に使えてしまうものばかりです。

楽に使えるものを挙げると、以下でしょうか。

- ANAのふるさと納税
- ANA STORE @SKY・国際線機内販売
- 空港内店舗(空港売店・空港免税店)
- ANA Mall・ANAショッピング A-style
- ANAマイレージモール
- マイルが貯まるその他加盟店
- ANAカードマイルプラス
- ANA Pocket・ANAマイレージクラブモバイルプラス

ANAカードを持っていればいくつかは無意識に利用済みになっているかもしれませんが、7つ完了するには意識的に使わないと難しいでしょう。

この辺りも各種ブログで書かれている方が多いので割愛しますが、私は4月時点ですでに7つの条件を完了できました。

工夫すれば少しの出費(おそらく2万円行かない)で完了できますので、お試しあれ。

クレカ入会特典でポイントと400万円決済をクリアする

最も高いハードルは年間400万円の決済金額です。 これも私には大きな壁と思われましたが、特に物価の高い国に行く方にはおすすめの方法があります。

それは、とにかく日本で色々クレジットカードで購入し、買ったものを赴任先に持っていくことです笑

物価の高い国に行くということは、物価の安い日本で買ったものを持っていくことで、赴任先での出費を抑えることにつながります。

2024年現在、アメリカは円安ドル高状態で、米ドルに変換するだけで資産が目減りしてしまいます。さらに赴任後にはその不利な返還をしたドルで高い物価のものを買うわけですから、ダブルパンチを受けてしまいます。

2024年時点では日米の金融政策は真逆の方向を向いており、これがあと1~2年で変わると考えるのは楽観的すぎるため、引き続きドル円レートは日本人に不利な状況が続くでしょう。

ですから、

  • 物価の安い日本で身の回りのものを準備
  • 船便にできるだけ荷物を詰め込んで持っていく
  • その決済をする際に、日本のクレジットカードの入会特典を存分に使う

というプランが合理的だと思いました。

例えば、先に紹介したAmexのANAゴールドカードは、3ヶ月で150万円使えば10万ポイント≒10万マイルがもらえるということです。

この150万円は、年間で決済する必要がある400万円としてカウントしても問題ないのです。つまり、ANAカードを引っ越し準備に使えば、ポイントも稼げる上に決済金額にも一気に近づける、まさに一石二鳥なのです。

実際、私も引っ越し準備(船便代の建て替えを含む)で250万円近く決済がありましたし、一時帰国でさらに物を持ってくる想定なので、まだ金額は膨らむと思います。

諸々の支払いをしていれば、一月あたり1,000ドルを超えますから、引っ越し準備と毎月の生活費の決済だけでもクリアが見える金額でしょう。

さらにAmexなら、アメリカでも大量にポイントをゲットすることが可能です。

詳しくは別記事に書きましたが、普通は1年程度待たないと発行できないようなカードを、Amexなら1ヶ月以内に発行する手段があるからです。

analytics-guy.hatenablog.com

私はこれでAmexプラチナカードを発行し、10万ポイントをゲットしました。

これを実現するには日本でのクレジットカード戦略も必要なので、挑戦したい方は下記記事もご参考ください。

日本ではAmexのプロパーゴールドカードが必須になりますが、このカードでも入会特典4万ポイントがありますので、ここでまたマイルが貯められます。

analytics-guy.hatenablog.com

裏技:手っ取り早く決済金額を増やすなら家賃の支払い

生活費で最も大きい支出は家賃でしょう。

日本でも家賃をクレジットカードで支払うことができる場合がありますが、アメリカでもPlastiqというサービスを使うことで家賃の支払いができます。

月2,000ドルの家賃を1年間支払うと、年間で24,000ドル、1ドル145円とすれば日本円で350万円にもなりますから、ダイヤモンドメンバー達成条件である年間500万円でも可能な決済額になります。

もちろん、日本のクレジットカードの両替手数料とPlastiqの両替手数料がかかりますから、全額をPlastiqで支払うのはおすすめできませんが、手っ取り早く決済額を増やせるという意味では知っておいて損はないかもしれません。

ただ、これをクレジットカードの入会特典ゲットとの合わせ技で考える場合は、十分に検討価値ありです。

例えばANA Amexゴールドの入会特典を得るために必要な決済金額が3ヶ月で 150万円と想定します。

家賃が$2,000、為替レートをざっくり1ドル150円とすると、150万円は1万ドルに相当しますから、5ヶ月分の家賃を支払うと達成できる計算になります。

手元の資金に余裕があれば、5ヶ月分を先払いしてしまえば良いので、入会特典を易々と得られてしまいますね。

仮に家賃は1ヶ月ずつ支払うとしても、3ヶ月で$6,000は支払えるので、円で考えると90万円分が完了し、残り60万円の決済金額を考えれば良い、ということになります。

以下のリンクからPlastiqに登録して、30日以内に$2,500以上の決済をすると、手数料として使える2,500ポイントが付与されます。

plastiq.com

  • 家賃が$2,500を超える場合は、初回の送金を1ヶ月分行い、その後にこのポイントを使って決済すれば、2ヶ月目分の手数料を相殺できます。
  • 家賃が$2,500未満の場合は、初回の送金を2ヶ月分行い、その後にこのポイントを使って決済すれば、3ヶ月目分の手数料を相殺できます。

詳しい使い方は下記の記事にまとめてありますので、検討されたい方はご一読ください。

analytics-guy.hatenablog.com

ANAの航空券を海外発券すると安くなる

プレミアムポイント獲得条件の下げ方がわかり、マイル獲得方法がわかり、400万円決済の目処もついたところで、仕上げはANA便に乗る、です。

ANA(もしくはJALも)はフルサービスキャリアと呼ばれるだけあり、航空券は割高です。

しかしANA/JALは日本国内では有名かつ人気のある航空会社ですが、海外ではそこまで人気がありません。

そのため、海外から出発して日本に行く航空券だと、かなり割引された金額で購入できるのです。

もちろん、会社が全額負担してくれる方は料金など気にする必要はありません。

渡米時にビジネスクラスチケットを取得すれば、それだけでプレミアムポイントがかなり付きます(例えばカリフォルニア州ビジネスクラスで乗れば、それだけで7000PP以上付与されます)し、かつそれを自分のクレジットカードで建て替え決済すれば、その分も400万円決済に組み込めるので、可能な人はこれも検討すべきでしょう。

しかし、基本的にアメリカ・日本間の往復だけだとあまりプレミアムポイントはつかないため、SFC取得のためには一工夫必要になります。

その工夫とは、アメリカ⇄日本⇄台湾のように、航路にアジア・オセアニア路線を組み込むことです。

アジア・オセアニア路線では、プレミアムポイントが1.5倍付与されるため、コスパよくプレミアムポイントを貯めることができるのです。

例えば日米往復にシドニーを組み込んで予約変更な運賃を探すと、ANAエコノミーの往復料金が30万円弱、かつプレミアムポイントが合計1.8万ポイント貯まります。

プレミアムポイントあたりの単価は16.6円相当となりますが、取得するべきプレミアムポイントが3万ポイントに下がっていますので、許容できる16円にかなり近いです。

日付を選べばもう少し安くなりますが、用事に合わせて帰ることを考えると、ある程度許容可能な範囲と思います。

もし1.8万プレミアムポイントを取得したら、残り1.2万プレミアムポイントでSFC会員条件達成ですので、年内にもう一度日本に帰る際、アメリカ⇄日本⇄台湾あたりを挟むとこれで修行完了になる計算です。

"修行ロス"にならずに済む

SFC修行をしている人に見られがちなのが、毎週・毎月のように沖縄に行っていたのに、それがなくなって寂しいと感じる、いわゆる「修行ロス」です。

LSサービス利用で3万プレミアムポイントを達成すれば条件は達成できるのですが、短い期間で10往復近くしていると、飛行機に乗りに行くのが日常的になり、それがなくなることが寂しく感じてしまうのです。

結果的に、LSサービス利用で5万プレミアムポイントを取得する、ダイヤモンドステータス獲得までやってしまう人もそれなりに出てくるのです。

もちろん、余裕があってやりたくてやるならば良いのですが、私のようにギリギリで達成したいだけの人には、不要な誘惑にもなってしまいます。

何せ、3万プレミアムポイントも獲得すれば、プラス2万プレミアムポイントでさらなる高みを目指せてしまうのですから、じゃあもうちょっと頑張ろうか、となってしまうのもわかります。

一方で海外赴任の立場からすると、ANAの路線には日本帰国時しか乗れませんから、チャンスはかなり限られてきます。

しかも1回に乗る距離を長く設定してプレミアムポイントを一気に貯める方針で行うので、2回もやれば3万プレミアムポイントは獲得できてしまいます。

よって、あくまで修行は非日常に留めておくことができ、もういっちょやったるか、みたいな気持ちにはなりにくいのです。

結論:ポイントで日本に2回帰ればほぼ無料でSFC発行も可能

まとめるとこうなります。

- 出国準備でお金を使う時、AmexのANAゴールドカードなどでマイルを貯めておく
- 海外赴任後すぐにAmexのカードを発行し、マイルを貯める
- 日本に帰国する際、ANAマイルをスカイコインに変換し、これでチケットを海外発券する

最終的にどこの国に赴任するかにより、マイルやプレミアムポイントの貯めやすさは変わりますが、日本に2回帰国する予定があれば可能、と考えると、届かない壁ではないでしょう。

海外赴任時の一つの趣味として取り組んでみても良いかもしれませんね。