コスパ大好き|アメリカに移住したエンジニア

2023年からロサンゼルス在住。個人的な体験を記録し、これからアメリカに住む人に情報を捧げます。

SONY銀行利用で送金と賃貸契約をスムーズにする:海外移住時の金策

移住時は結構な現金が必要になります。

全て使ってしまうわけではありませんが、私の場合、立て替えて会社に請求する分や残高証明など、一時的に800-1,000万円ほどの現金が必要な計算でした。

私は会社補助で移住することになっていたため、正直ここまで現金を用意する必要があるとは思っていませんでしたが、考えた末にSONY銀行を使うことにしました。

この記事ではこの金額が必要だった理由とSONY銀行の使い方について記録しますので、移住時にご参考いただければと思います。

海外移住時に必要になるお金

私の場合、事前に予想できた大きな出費は以下3点ありました。

  • 移住後の車の購入費:約200万円と想定
  • 海外引越しの支払い:約100万円と想定
  • 賃貸契約時の初期支払い:約100万円と想定

これらはある程度予想していたため、契約時期などをずらしていけば400万円でもなんとかなる、と思っていましたが、予想できていなかった最も大きな金額が、賃貸契約時に求められる場合がある、想定家賃の1年分のお金を証明できる銀行の残高証明3ヶ月分、でした。

現在の為替レート(約130円/USD)と想定家賃から考えると、3ヶ月間動かすことができない400万円を日本の銀行に入れておく必要がありました。。

車の購入費:200万円

私の場合、車にあまりこだわりがないので、最初から中古車購入を考えていました。 現地の同僚からは、購入するならば カーファックス(carfax.com)で値段を見るといい、と聞いていたので、こちらを参考に金額を割り出しました。

www.carfax.com

2022年時点の中古車価格では、日産のセントラなど、かなりベーシックなモデルであれば$15,000くらいで購入できそうでした。 つまり両替レートをかけると200万円くらいなので、これを想定しました。 後から判明した情報として、車の購入金額にプラス15%程度の消費税やら手数料がかかるのが一般的とも聞いているので、実際にはもう少し余裕を持った方がいいでしょう。

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海外引越しの支払い:100万円

私の場合、会社補助の対象が船便のみだったため、コロナで上昇した海運コストがそのまま効いてきました。

コロナ禍でのピーク時、海上輸送の運賃はコロナ前の7倍まで跳ね上がっていたそうです。(そりゃ川崎汽船とか日本郵船とか株価も上がりますよね。。)

もちろん、輸送する荷物量によって変動しますが、2022年末に大小6つの業者に問い合わせた際の相場感は、1立方メートルあたり10万円とのこと。 よって、10立方メートル分(だいたい押し入れ丸2つ分)を送ると100万円くらいになる計算でした。

調べた限り、やはり中小事業者だと悪評がある業者もいるようだったので、金額も変わらないのであれば安心のヤマト運輸にお願いすることにしました。

ちなみにヤマトの場合、支払いは2回に分かれます。 見積もりでおおまかな荷物量を測ってもらい、契約時にその半額分を支払います。

その後荷物を受け渡したのち、実際の荷物量を再計算し、最終的な輸送コストが判明します。その時に残りの支払い分を決済します。

これもどこかで記事化しようと思っていますが、この支払いは多くの業者でクレジットカード決済ができるようです。

結婚式に匹敵する金額なので、ポイ活をされている方はここは逃さず使うと良いでしょう。

ちなみに私の場合、この決済をする銀行口座はSONY銀行とは別の口座にしました。SONY銀行の口座残高の金額をなるべく一定に保つためですが、大きな金額が急に出ていくと計画が狂う可能性があるので、面倒ですがその方が安心できると思います。(その分、不渡を起こさないように準備する現金が増えてしまうデメリットもありますが。。)

賃貸契約時の初期支払+残高証明:500万円

これを説明するにはロサンゼルスの住宅事情についても説明が必要と思いますので、そこから説明します。 まず、賃貸契約時の初期支払いでは、2つのコストが存在します。

敷金2ヶ月分+初月分の家賃:100万円

まずは敷金(Depositと呼ばれる)。これはほぼ日本と同じです。 異なるのは、この金額が入居希望者のクレジットスコアによって変動する点です。

例えば私はアメリカから見ると外国人で、かつ米国内でクレジットカードはおろか社会保険番号も使った記録がないので、クレジットスコアの高低どころかそもそも信用情報がない、という状態です。

よって敷金は2ヶ月分など、信頼できない前提での申し込み条件になります。 さらに家賃1ヶ月分は初期コストとしてかかるため、最大で家賃3ヶ月分程度の現金を持っておく必要があります。

例えば月$2,500の物件に住む前提だと、3ヶ月分は$7,500ですから、ドル円レート130円計算だと100万円が必要になるわけです。

日本の銀行のドル建て残高証明:400万円

現地の同僚や不動産業者から追加で教わった話ですが、クレジットスコアがない外国人にはそもそも物件を見せることもしないオーナーもいるため、支払い能力があることを証明する必要があります。 そして少なくとも、その証明には以下の2つの条件があります。

  • 米ドル建の残高が家賃の1年分以上あること
  • 残高証明は3ヶ月分あること

この他にも雇用証明書(米ドル建の年収記載あり)など求められるものはありますが、お金だけすぐに用意できるものでもないので、計画が必要でしょう。

ちなみに海外移住をする場合、日本での株式取引はできなくなるらしく、証券口座に入っているお金を現金化する必要があるようです。

よって、まとまった現金を用意する場合、株式などを売却して準備することも一般的とのこと。

SONY銀行のデビットカードを使ってお得にする方法

個人的には資産の大部分を現金化する必要があったため、せっかくここまでやるなら金策でお得にやっていきたいと思い、リサーチしました。 その結果、私の場合はSONY銀行の会員ステージを獲得して、デビットカードSONY BANK WALLET)を使う方針にしました。

おおまかなお金の流れは下記のようになります。

1. SONY銀行に家賃1年分の現金を入金する
2. Club-Sのステージをシルバー以上にする(約2ヶ月の時間が必要)
3. 残高証明を取得する(3ヶ月間)
4. デビットカードでRevolutにチャージする

1. SONY銀行に家賃1年分の現金を入金する

まずはSONY銀行の口座開設をし、家賃1年分の現金を入金しましょう。

最低300万円ですが、これはSONY銀行の会員ステージ(Club-Sのシルバー以上)を獲得するために必要な最低金額です。 他にもステージ達成方法はありますが、送金を考えている人ならこれが最も手軽ではないでしょうか。(どうせ送金するので)

ポイントとして、この家賃1年分の金額を超える金額が常に口座に入金されている状態を保つと良いでしょう。これは残高証明のためですが、この後デビットカードで出金するフローもありますので、出し入れが面倒な人はこの時点でなるべく多くの金額を入金しておくと良いかもしれません。

※個人的には、大家さんに見られた時、「こいつ毎月50万円づつ減ってるやん!」と思われるのを避ける意味で、常に家賃1年分の金額付近になるように調整していました。

Club-Sのステージアップ条件

2. Club-Sのステージをシルバー以上にする

Club-Sには4段階の会員ステージがあり、ステージごとにデビットカード利用時のキャッシュバック率が0.5~2.0%の幅で変わります。

Club-Sの会員ステージ別キャッシュバック率

そもそも0.5%のキャッシュバックがある時点で嬉しいですが、せっかくなので1.0%程度まで上げて、送金ごとに儲けを増やしたいところです。

ただし、このステージ変更には1~2ヶ月のタイムラグがあると考えておいた方がいいでしょう。

ステージアップ判定は約2ヶ月スパンで発生

例えば2023年2月の上旬にこれを知ったとします。 しかし300万円もの現金をすぐに移すとなると、引き出しに少し時間の猶予を持っておいた方がいいでしょう。

例えば、通常の振り込みをする場合、無料の振り込み回数には制限があったり、1日の限度額があったりします。

限度額変更にも1営業日くらい見ておいた方が良いでしょうし、限度額が100万円までだとすると、振り込み完了まで3営業日はかかりますから、多少早めに動いておく必要があります。

そしてそのお金は2023/2/28~2023/3/7の期間、口座に預けっぱなしになります。(ステージ判定期間)

2023/4/1以降、ステージが上がりますから、2023年2月初旬に始めた場合、1~2ヶ月の期間を要することになります。

3. 残高証明を取得する(3ヶ月間)

入金できたら、早速残高証明を申請していきましょう。 SONY銀行では、残高証明をドル建てで発行してもらう場合、手数料が880円かかります。 またドル建て残高証明はウェブからは申請できず、郵送のみの取り扱いになります。 下記ページの「米ドル建て表記のある英文預金残高証明書(手数料880円・消費税込み)」のフォーマットを記入する必要がありますので、これをダウンロードして印刷します。

o2o.moneykit.net

PDFの最後のページには、SONY銀行の宛先が書かれていますので、これを印刷して封筒に貼れば切手は貼らなくても届きます。

2023年2月15日に家賃1年分の現金が準備できたとして、早速残高証明を申請したとしても、3ヶ月分の準備ができるのは3ヶ月後の2023年4月15日以降になります。

残高証明は1週間程度で郵送で届きますが、例えば出国日が2023年4月下旬だとすると、ギリギリ間に合うか間に合わないかの時期になりますから、残高証明発行の意味でも早めに動き出した方がいいでしょう。

4. デビットカードでRevolutにチャージする

最後の総仕上げとして、シルバーステージ獲得以降、デビットカードでRevolutに月45-50万円ずつチャージしていきます。(ステージなしの時から始めても0.5%のキャッシュバックがあるので、すぐに始めても問題はありません。)

Club-Sは一度ステージを獲得すれば、ステージのダウングレードは半年に一度(3月と9月)のみ発生しますから、残高証明を発行するタイミングとずらす形でチャージすれば計画に狂いはでません。

Revolutによる送金については、別の記事で詳しく解説していますので、こちらもご参考ください。

analytics-guy.hatenablog.com

まとめ:時間を味方につけて、お得な金策を!

最後まで読んでいただきありがとうございます。 非常に細かい、かつ時間のかかる金策ではありますが、大きな現金を動かす時の0.5%の差は大きいです。 例えば1,000万円送金する人であれば、単純計算5万円分の違いが出るばかりか、何も考えずに送金すると逆に10万円くらい送金手数料が増えることにもなり、その差はさらに開きます(最大2~3%と試算)。

個人的にはこれにマイル修行を絡めているのでさらに効率は高められると自負していますが、これはまた別記事で紹介させていただきます。

*1:ちなみに車の購入には一般的にクレジットカードは使えないようで、現金を用意する必要がありそうです。手付金などには使えそうですが、実際に支払った時に続報があれば更新したいと思います。

海外送金で儲かる?RevolutとWISE・コスパの良い送金方法比較

普通に海外送金すると手数料が取られます。 しかしRevolutをうまく使うと、むしろお金が若干増えます。

2023/4月からSONY BANK WALLETの規約が変わり、お金は増えなくなりました。 一方、現時点でもRevolutは送金コストが最も安い方法でもあるので、検討中の方はご参考ください。

こんなことがあって良いのか?認知度の高いWISEの方がいいんじゃないか?と疑問に思い、海外送金の観点でRevolutとWISEを実際に使って比較してみました。

本記事ではアメリカのユニオンバンクに送金することを前提としていますが、サービス提供通貨であれば基本的な仕組みは同じですので、アメリカ以外でもご参考いただければと思います。

※以下のリンクから登録すると、Revolutで6,000円、WISEで7,500円がそれぞれもらえます。

1つのアプリで、お金のすべてを管理 | Revolut JP

Wise(旧TransferWise):オンライン海外送金 | 海外の銀行機能

※実際の送金注意点や送金結果などは下記にまとめてあります。

analytics-guy.hatenablog.com

analytics-guy.hatenablog.com

普通の銀行を使うと1回あたり約7,000円の送金コスト

ヤマト運輸の海外赴任者セミナーで知ったのですが、一般的な銀行を使った国際送金では以下4つの手数料が取られます。

  1. 為替手数料
  2. 送金手数料(仕向送金手数料)
  3. 仲介銀行手数料
  4. 着金手数料(被仕向送金手数料)

1~2は送金元となる国内銀行で、3は中継する銀行で、4は受け取る銀行で、それぞれかかる手数料です。 金融機関によりますが、以下参考金額です。

※日本円への換算は2022/12/21のレート132JPY/USD、140JPY/EURベース

何も考えずに銀行などで10万円分送金しようとすると、 1回あたり5,000~10,000円程度 かかります。 1年送金し続けたら1ヶ月分程度かかる計算ですから、このコストはなかなか見過ごせません。

※実際に比較して見たい人は、WISEの比較ページがわかりやすいので、シミュレーターを使ってみると良いでしょう。

工夫次第で手数料は抑えられる

送金コストを抑える方法はいくつかあるようですが、以下代表例。

  1. 日本で米ドル(現金)を作り、渡航時に持っていく
  2. 利用する銀行のサービスで部分的にコストを抑える
  3. WISEやRevolutのようなサービスを使う

現金を持っていくのは安全上のリスクが多少ありますが、頻繁に日米を行き来する人には可能でしょう。現金を直接持っていくわけですから、「1. 為替手数料」のみどうにかすれば、銀行関連のコストを避けることができます。

しかし現実的にそのような人は少ないでしょうから、2と3について少し補足します。

銀行のサービスでコストを下げる(プラスにはならない)

プレスティア銀行:預金1,000万円以上で送金手数料が無料に

部分的かつ条件がありますが、SMBC信託銀行プレスティア(シティバンクSMBCが買収して統合した銀行)では「2. 送金手数料(仕向送金手数料)」が無料になるプレスティアゴールドというサービスがあります。 本記事では詳しく扱いませんが、参考まで。

https://www.smbctb.co.jp/executive/gold/services/fees.htmlwww.smbctb.co.jp

【受付終了】三菱UFJ銀行:海外赴任者用口座で1回あたり2,500円に

三菱UFJ銀行は、傘下だった米ユニオンバンクの口座開設を取り次ぐと同時に、三菱UFJからユニオンバンクへの送金手数料を抑えるサービスとして、パシフィック・リム カンパニーベネフィットプログラムを展開していました。

しかし三菱UFJ銀行ユニオンバンクを売却したため、口座開設の取次サービスの終了と同時に、これを使った新規口座開設も受付を終了しました。

今後どのようになるかは不明確ながら、現時点で申し込みが完了している人は、しばらくはこのサービスを使い続けることができる模様です。

https://www.bk.mufg.jp/tsukau/kaigai/kouza/prcb/index.htmlwww.bk.mufg.jp

ちなみに2023/8月現在、ユニオンバンクはUS Bankに吸収合併されているため、この方法で口座を作成した人はUS Bankを利用しています。

WISEやRevoluteでコストを抑える

WISE(旧Transfer WISE)やRevoluteは、仕組みでコストを抑えるサービスです。

つまり、複数の銀行を中継してやり取りするからコストが発生するので、特定企業がそこをまとめて行えば良い、という考え方です。

正しい説明かはわかりませんが、送金の流れは以下のようになります。

  • WISEやRevolutは多国籍企業なので、色々な国にそれぞれの通貨を扱う銀行口座を持っている
  • ユーザーが日本からWISEやRevoluteにお金を預けて、サービス内で両替を行うことができる
  • ユーザーが通貨をアメリカの銀行口座に出金したいときは、WISEやRevoluteが持つアメリカの銀行口座からユーザーのアメリカの銀行口座に送金する(アメリカ国内の振込になる)
  • よって、送金コストが国際送金よりも安くなる

※以下イメージです。

通常の国際送金のお金の流れ
通常の国際送金のお金の流れ

WISEで送金する場合のお金の流れ
WISEで送金する場合のお金の流れ

実際のところ、銀行を使った送金などと比較してどの程度安くなるのかは全て計算して求める必要がありましたが、最もわかりやすかったのはWISEの比較ページだと思いますので、こちらを参考にしてみてください。

wise.com

WISEとRevolutでどっちがいいのか?

色々調べたのですが、この2つを送金観点で比較している情報には出会うことができず、最終的にどちらも使って自分で調べることにしました。

ちなみに今回の比較前提は以下です。

  1. 国際送金手段として2つのサービスを比較する
  2. なるべく手数料がかからない方法を考える
  3. 1回あたりの送金金額は50〜100万円程度

比較前提を設けているのは、WISEもRevolutもさまざまな使い方ができるサービスのため、送金の切り口で良し悪しを比較したいからです。 例えばWISEやRevolutのデビットカードを使ってポイント稼ぎをする記事などはたくさん見つかりましたが、送金に絞るとどちらか片方のみの解説が多いようでした。

個人的結論:どっちも使うのが良さそう

先に書きますと、私は両方使ってリスクヘッジをすることにしました。 具体的には、Revoluteの方が金銭面で見るとお得ですが、サービスの安定性や透明性ではWISEに軍配が上がります。また短期間で多額の送金をしたい場合、サービスごとの無料送金金額の上限を考えると、2つのサービスで送金できた方がより早く送金できるためです。

ちなみにこれまで6ヶ月に渡って10回以上送金を繰り返してきましたが、今の所お金がどこかに行ってしまった、ということは一度もありませんでした。「リスク」と聞くと怖さもあるかもしれませんが、ここでいうリスクというのは1%あるかないか程度の問題と考えて良いと思います。

デビットカード入金でキャッシュバック(2023/4月に終了)

どちらのサービスで送金するにしても、サービスへの入金が必要になります。 今回は送金という視点で考えていますので、この場合クレジットカードでの入金は使えません。 使えるのは以下2つのいずれかです。

デビットカードの場合、Revolutでの入金に対してポイントがつく銀行があり、2023/2月時点ではソニー銀行楽天銀行が還元率の高いデビットカードサービスを提供していたようです。 私の場合、楽天のサービスを(楽天モバイル以外)あまり利用しないため、直接キャッシュバックが入るソニー銀行デビットカードSONY BANK WALLET)を使っていました。

詳しくは別記事で書きましたが、キャッシュバック率が0.5~2.0%とお得だったため、これを利用できると入金時に思わぬ収入が得られました。

analytics-guy.hatenablog.com

Revolutの場合、デビットカード入金には手数料もかからず、キャッシュバックがそのまま受け取れるためおすすめでした。 ただしSONY BANK WALLETによるRevolutへの入金は、30日間に対して1回しかできず、1回の入金上限金額も45-50万円でした(2023/1月、2023/2月実験済み)。

WISEの場合、デビットカード入金には手数料がかかります。例えば10万円に対して3,300円の手数料がかかるため、還元率が3.3%を超えるデビットカードでなければマイナスになってしまいます。 よって通常の銀行振り込みで対応するのがおすすめです。 SONY銀行の場合、ステータスがなくても月2回までは無料で振り込みができるので、これを利用するのも手でしょう。

為替手数料は細かな違いあり

次に為替ですが、ここでは2つの要因があります。

  1. 為替レート(1 USD → 130.01 JPYなど)の高低
  2. 両替手数料(1 USDあたり0.1%など)の有無

基本的な為替レートはWISEの方が有利ですが、WISEは両替手数料がかかるため、必ずしもお得とは限りません。 Revolutの場合、土日に両替すると手数料がかかりますが、平日昼間は両替手数料がかかりません。またレートはWISEに劣りますが、手数料がない分、平日に両替することでトータルコストは安くなります。

よって、平日に両替できる人は、Revolutの方が為替手数料を抑えられる効果が見込めます。

他方、為替レートは日々変わりますから、必ずしも平日に両替することがベストとも限りません。2022年はさまざまなニュースがあり、1日で4円動くことも何度かありました。1 USD → 130 JPYに対して4円動くと、1日で3%も違いますから、100万円の両替なら±3万円も影響することになり、結構恐ろしいです。

その意味で、WISEは両替手数料が追加でかかるものの、土日でも比較的優位なレートで両替できる点で安心感があると言えるかもしれません。なぜなら土日は為替相場が急変することがほとんどなく、ゆっくり両替できるからです。特に、為替変動が見込まれるニュースがある時は土日に動かす方がいい場合もあります。

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また、無料アカウントで両替するには、それぞれ一定の上限があります。

Revolutの場合、月当たり75万円(毎月15日リセット)までは手数料がかかりませんが、これを超えた場合手数料がかかります。 WISEの場合、基本的に両替には手数料がかかりますので、1日に両替ができる回数のみ制限がかかっています(24時間あたり15回まで)。

ちなみに細かいですが、Revolutでは為替レートは小数点第二位まで(例:130.25)ですが、Wiseでは小数点第三位まで(例:130.249)まで表示されるので、0.001%単位の違い(銀行の年利くらいの差)が気になる人には、WISEの方が馴染むかもしれません。

WISEの為替に関する注意点は下記記事に書きましたので、WISEを検討している人はご一読ください。

analytics-guy.hatenablog.com

送金〜着金までの手数料ではRevolut、安心感はWISE

アメリカへの送金では、どちらのサービスでもACH送金という手段を使います。先の図にあるとおり、実際には国際送金を行なわず、送金元・送金先の国の中の国内送金ということになるため、手数料が抑えられる仕組みです。

WISEの場合、この送金でもいくらか手数料が発生します。 一方Revolutでは送金に対して手数料はかからないため、その分お得と言えるでしょう。

また、着金に対してはACH送金(国内での送金)になるため、どちらのサービスを使っても手数料はかかりません。

ここで1点だけ注意しておきたいのは、2つのサービスで完了通知が送信されるタイミングが異なることです。

Revolutの場合、送金が完了したら通知が来ます。

つまり着金はしているかわからないけど、送金は完了しましたよ、というお知らせが来ます。

よって、Revoluteにも送金先の口座にもお金が存在しない時間が発生します。

送金が完了したというので銀行に行ってみると口座にお金は入っておらず、Revolutにもお金はなく、自分のお金がどこに行ってしまったのか、不安になる可能性があります。

これはRevoluteがロンドンの午後3時くらいの時刻を基準に処理を行うことで発生するため、LAの朝7:00くらい(日本時間の日付変更前)に送金すると2時間後には着金が確認でき、不安を少なくできるでしょう。

一方、WISEでは送金〜着金までの工程をトラッキングし、着金が確認できた上で完了通知をくれます。

この点、初めての時でも安心感があるのはWISEなので、一つのWISEを使いたい(保険的な意味での)理由になると思います。

ただ繰り返しですが、Revolutでも経験上、これまでお金がなくなったことはありませんし、処理にかかる時間がわかっていれば不安も払拭できますから、Revolutでお得に送金したい方は試してみる価値ありです。

Revoluteの利用には若干のリスクが伴うという話

金銭的メリットだけ考えると(キャッシュバックは無くなりましたが)Revolutがよい、という話になるのですが、ここで2つ、利用上知っておく必要があるリスクを共有します。

  • Revolutは法律上の「銀行」ではないので、送金時にお金がなくなった場合、返金されないリスクがある
  • RevolutはWISEよりも新しい会社のためか、直近で行政処分などを受けている

私は金融システムについては素人なので、このリスクがどの程度なのか定量的に評価ができませんが、これから使う自分のお金に対して大きなリスクは取れません(苦笑)。 なので、私の結論は2つのサービスに分散させ、リスクを半分にしました。

まとめ:手数料だけ考えるならRevolut+SONY銀行、安心を得るならWISE

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。 個人的に収集した情報ではこれがベストと思いましたが、他にもコスパのいい方法があるかもしれませんので、気になる方は他の方法も探して見てください。 ただ現時点でこれ以上リサーチに時間を使いたくない、という方は、この記事の方法を検討してもいいかもしれません。

RevolutやWISEを検討している方は、下記リンクからどうぞ。

1つのアプリで、お金のすべてを管理 | Revolut JP

Wise(旧TransferWise):オンライン海外送金 | 海外の銀行機能

*1:ちなみに私の場合、渡米前に比較的時間を作ってあったので、毎日為替とニュースをチェックし、Revolutで底値で両替できるように計画を立てました。実際に2023/8月現在のレートである約145円と比較すると、平均して135円程度で両替・送金していたので、少なくとも10万円程度はお得に送金し、さらにキャッシュバックで2万円程度得られた、と言えるかもしれません。